いのちの記録

心臓病になった看護師チチ

#87 救命救急病棟にて

 

救命救急病棟では個室で眠ることになり、怖かったから看護師さんに「電気消さなくていいです」と伝えた。

 

「明るいですよ?眠れなくないですか?」って不思議そうな顔して聞かれたけどでもそんなの関係ねぇ。

アタシは怖いんだ。

 

一夜明けて

 

ほとんど眠れず朝になった。

 

生きてる。

 

ホッとした。

 

ありがとうがこみ上げてくる。

 

朝まで何度も心電図モニターのアラームが鳴り、「私はそんなに不整脈出てるの??」と考えながら、でも考えないようにして自分で確認することもなくスルーしていた。

 

そして朝に判明したのだけど、心電図モニターの記録用紙が一定時間ごとに出てくるように誤設定されていた。

 

Oh〜NO~

 

なんともないなら良かった。

 

山のように積まれたモニター用紙

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生きてるってことだね。

 

確認するため一部切り取ってみた。f:id:nurse-chichi39:20240418235317j:image

 

きれいな波形。

 

表示されてるのは、

HR(Heart Rate):心拍数、脈拍

Spo2(サチュレーション):酸素飽和度

HRは59回/分、Spo2は97%で落ち着いてる。

 

体はだるくて全身むくんでいた。

 

胸が重苦しいような不快感がずっと続いていた。

 

血流が悪いから肌の色も全体的に黒っぽい感じだった。

 

体調は絶不調だけどメンタルまで参ったら体調ももっと悪くなってしまいそう、と考えご飯は全部食べて力をつけた。

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病院のごはん美味しいんだっ(⁠☆⁠▽⁠☆⁠)

 

バナナ大事。ニトロもしっかり手の届く位置に(^.^)v

 

 

対処療法

 

右腕に静脈路。

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内服でニコランジル(冠動脈を広げてけいれんを予防する薬)飲んでるんだけど、この時は注射液でダイレクトに心臓にいくように点滴してた。f:id:nurse-chichi39:20240418235433j:image

 

 

パルスオキシメーター。Spo2測定。指先にテープを巻いて24時間モニターできる機器。赤い光を当てて毛細血管から酸素飽和度と脈を測定できる機器。ひとつ5千円。

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朝薬。翌日から1錠追加になって8錠になったf:id:nurse-chichi39:20240418235453j:image

 

 

私の肝臓もがんばってくれている

 

(๑•̀ㅂ•́)و✧

 

(薬剤の多くは肝臓で代謝される)

 

 

親友に動画配信

 

朝食後、心配をかけた親友に元気な顔を見せようと思い動画を撮った。

 

いつもの陽気なチチでメッセージを送るつもりがこみ上げてきて泣いた。

 

私の涙は聖水

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がっつり泣いてる顔あるんだけどクレームがきそうだから載せないでおく(笑)

 

だがしかしいつまでも泣いてる場合じゃない。

 

この動画撮影時、トイレを我慢してすでに1時間。

 

まだ1人で歩けなくて看護師さんに付き添ってもらわなきゃだったんだけど、忙しいのが分かるからナースコールを押せないでいた。

 

「えー。わたくし、すでにトイレを1時間我慢しております。トイレに行きたくて仕方ありません。そろそろナースコールを押させてもらおうと思います。」って画面に顔近づけてコソコソ実況報告してた。

 

親友たちは私の話にいつも笑ってくれる。

 

動画を送ったとき、「キキー、リリー、ヤッホー」ってはじめに言ってる私を見てキキは速攻で携帯を閉じた。

 

「公共の場で笑ってしまう。真剣なんだろうけど、笑ってしまう」って。

 

キキは仕事でお昼休みに食堂にいたみたい。

 

 

キキのその時のランチ
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お箸どないなっとんねん。

 

 

けど私の目から流れる聖水を見て、

 

「笑ってる場合じゃなかったー!」

 

「いや、救急で運ばれてさ、1人だしさ、色々考えるしさ、泣くよな、そりゃな。今まで頑張ってきたしな」

 

ってLINEがきて、キキとリリがエアーハグしてくれた。

 

温かい。

 

 

リリのエアーハグ

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また泣けた。

 

 

担当医

 

私はこういう時、考えないように努める。

 

弱ってる時に色々考えても負のスパイラルになることが多いから、ひたすらクリスマス映画を見てほっこりしていた。

 

クリスマス映画を見てニヤニヤしている時に若い医師がきた。

 

話し方が丁寧で腰が低く、声の大きさもちょうど良くて話す速さに優しさが滲んでいた。

 

私のそばに来ると労いの言葉をかけてくれて、担当医になると自己紹介をした。

 

担当医とのお話で、

 

・夕方頃、循環器内科の一般病棟に移動になること。

 

・冠動脈のけいれん予防の点滴は中止にして、内服薬に変更して胸痛発作がこないか経過を見たいこと

 

・ずっと点滴してても退院できないから、内服薬でコントロールできるように調整してみよう

 

・主治医が後で話にくる

 

ってことになった。

 

大学病院に入院中は、主治医と担当医がいて、担当医は研修医が受け持ってくれる。

 

入院中ほとんどやり取りするのは担当医で、主治医は大事な話をする時に会いに来てくれる。

 

 

支え

 

闘病するのは自分なんだけど、闘病するためには色んな人たちの支えあってこそだと思った。

 

家族や友だち、医療従事者の方々、身近な人たちの優しさで生かされてるし、生きたいと渇望する根源になっている。

 

弱ってる時ほど人の優しさが身に染みて、愛することと愛されることの喜びを噛みしめる。

 

 


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