いのちの記録

心臓病になった看護師チチ

#76 不本意な退職

 

仕事は辞めなきゃいけない。

 

上司に報告するのは気が重かった。

 

せっかく入職できた職場で、これからを楽しみにしていた精神科看護。

 

自分の焦りと無理が招いたことだった。

 

 

受診後、帰宅してひと息ついてから上司に電話した。

 

夫と話し合い、夫は、私が無理をしなければ仕事は応援すると言ってくれたこと。

 

一方で、主治医からは今の状態で働くのは厳しいから退職するように言われたこと。

 

今月いっぱいでの退職と、持病悪化のためもう出勤できないことを伝え、謝罪した。

 

すると突然上司が激昂した。

 

電話口から激しく怒って興奮している上司の声が聞こえる。

 

私は何が起こったのか分からなくなり電話を持ったまま固まっている(・∀・)

 

夫は、電話口から突然聞こえてきた興奮する上司の声を聞いて、表情が険しくなり動きが止まった。

 

なんで上司が怒っているのか分からなくて、皆さんに迷惑をかけてしまったことを謝って、配慮をいただいたお礼も伝えてたんだけど、私は何かまずいことを言ってしまったのか。

 

もう出勤しないなら今日付けで辞めろ。

 

ということだった。

 

 

話ができない状態だったから電話を切り、私は放心状態になった。

 

夫が言った。

 

「チチはもう上司と何も話さなくていい。あとは事務とのやり取りだけだから俺が対応する。部長にも俺から連絡するからチチは何もしなくていい。」

 

私もこれ以上は話す気力がなく、「 うん。ごめん。お願い。」と夫にお願いした。

 

あとは連絡と手続きだけだったから、夫が部長と事務部とやり取りをしてくれた。

 

退職届と私物は病院に夫が取りに行くか、郵送でのやり取りにするか夫から職場に連絡することになってたのだけど、すぐに私物が家に送られてきた。

 

上司からナースシューズが着払いで( ;∀;)

 

夫が事務部に連絡し、職場に行くことになった。

 

事務部の課長が、「チチさん明るい人だったから本当に残念です」と言ってくれてたと夫から聞き、救われた。

 

こんなに迷惑をかけてしまったのに、私でも良いことできた時はあったんだなと思えた。

 

やり取りは夫がすべて代行してくれて、私は退職届を書いて送るだけになった。

 

傷病手当金申請書は主治医と健康保険組合に提出しなきゃいけない書類だから、事務からもらえた。

 

退職日が月の途中だと、社会保険料が2倍になってしまうから退職日は4月の末日にした。

 

手続きが終わり、あとは健康保険証の返却だけだった。

 

 

事務部のスタッフと病棟スタッフに菓子折りを買ってきて、手紙と一緒に発送するため準備をしていた。

 

3月末に退職した職場も手続きが完了したところだったから、同じように事務部と病棟スタッフに送る菓子折りと手紙をまとめていた。

 

その時に隣で見ていた夫が言った。

 

「他人に気を遣わないで、もっと自分に気を遣ってあげて。」

 

 

当時の夫の表情や声を今でも時々思い出す。

 

職場2箇所とも本意ではない退職だったから、私の様子をずっとそばで見てきた夫は胸が痛い光景だったと思う。

 

逆の立場になって想像すると、胸が痛くなった。

 

私は私で、他人への申し訳なさと、お世話になったことへの感謝の気持ちを表すのは礼儀だと思っていた。

 

 

ただ、あの時は病気が理由だったから、菓子折りではなくて手紙だけにして、代行してくれた夫に美味しいものをご馳走しにパーッ!と出かける選択肢もあったな、と今なら思う。

 

 

進もう。

 

落ち込んではいられないッ。

 

命はある。

 

希望もある。

 

家族がいる。

 

友だちがいる。

 

私にできることはたくさんあるッ。

 

 

 

 

そうッ!!

 

 

体調管理だ!!(`・ω・´)ゞ

 

 

心臓病を受け入れた私にはやるべきことがたくさんある。

 

症状と心臓の体力に合わせたリハビリをする必要があった。

 

そして心臓病やリハビリに関する勉強もしなきゃね(⁠๑⁠¯⁠◡⁠¯⁠๑⁠)

 

 

私は早速、大学病院の循環器病棟で経験がある親友のリリちゃんに指導してもらうべく、連絡した。

 

 

ささっ!やることいっぱいだ(⁠>⁠▽⁠<⁠)⁠ノ

 

 


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