いのちの記録

心臓病になった看護師チチ

ストレスは知らず知らずのうちに

 

2023年4月26日更新。

 

先日、Twitterで知り合った同じ冠攣縮性狭心症がある女性に会ってきた\(^o^)/

同じ病気で、女性で、同年代で、いつか会いたいと思いTwitterでやり取りしてきたんだけど、やっと直接会って話せた!

名前はしょーこさん。

昼間は医療従事者として働いてて、夜は週に1回横浜市の関内のスナックで働かれてる。

ということで、スナックに会いに行ってきた٩(♡ε♡ )۶

「初めまして」の挨拶の後すぐ、お互いずっと求めてたかのように話が止まらなかった。

 

 

多くの共通点
 

しょーこさんも私と同じ39歳で冠攣縮性狭心症を発症した。

冠攣縮性狭心症

心臓の周りを覆ってる冠動脈がけいれんする。

冠攣縮発作の原因:タバコ、お酒、ストレス、過労 等
 

しょーこさんの話を聞いていると、「私も!」と叫びたくなることが何度もあった。

「まだいける」、「まだ大丈夫」、が口癖だった。

 

仕事に全集中して、常に頭はフル回転。

テキパキ動いて人の仕事も喜んで手伝う。

毎日忙しく、心も体もヘトヘトになってるはずなのに、「まだ大丈夫」って言葉を自分にかける。

仕事は楽しくて、やりがいがあって、人に任せてもらえたり頼られるのが大好き。

忙しいと充実してる気がして、トラブルや急変時の対応は燃える。

情熱があるから愚痴をこぼすこともなく、真剣に向き合うから常に肩に力が入ってる。

責任感が強くて、自分がしっかりやらなきゃって思いが土台にある。

根っからのがんばり屋さんなのだ。

 

 

気づかないストレス
 

私は、急性心筋梗塞で倒れるちょうど1年前、心臓の拍動が弱くなり、仕事を2週間休まざるを得なくなったことがある。

過労だった。

 

長いこと月の夜勤が8回前後あり、月に1〜3回ある日勤はつらかった。

仕事以外は家で休み、15分も読書ができないことが続いていた。

スーパーにも行かないしデートも行かない。

仕事のためにちゃんと休まなきゃ、という生活だった。

 

連続夜勤が続き、疲れが取れなくなっていった。

なくなっていく気力と集中力。

ある日、体が重いまま夜勤に行き、ナースステーションで看護記録を読んだ。

内容が全然頭に入ってこない。

見えるのは、文字だけだった。

何が起こってるのか、、、。

記録を読むのは後にして、先に患者さんの顔を見に行くことにした。

患者さんを見てたくさんの情報を得て分析しながら巡回する夜勤のルーチン。

それなのに、患者さんを見ても何も考えられない。

患者さんの名前すら思い浮かばない。

あれ?私は何をしようとしてるんだっけ?

急にこわくなった。

この状態で患者さんの看護なんて無理だ。

命と働けない!

ナースステーションに戻った私は、上司に相談して早退した。

病院に行くと、脈が弱くなり、1分間に40台だった。

医師に退職をすすめられたけど、やりがいがあるので辞めないと答えた。

むしろ、自分の体力のなさを責めた。

 

疲れを取らなきゃと思い、漢方外来に行ってみた。

私に合う漢方を選んで調合してくれると言う。

聞かれたことに答えた。

漢方の先生がかけてくれた言葉が今でも忘れられない。

「看護師さんなの?大変なお仕事してるんだね。

看護師というだけでも大変でストレスも多いのに、夜勤8回もやってるの?」

仕事が大変だと思ってなかったから、私はきょとんとしていた。

「大変?そうかな。やりがいありますよ。楽しいんです。」

「仕事のために体力付けなきゃ(^_^)」

先生は、

「本当に、とってもがんばってるね。大変だったね。こんなにがんばれる人、僕は見たことないです。看護師さんは、大変なお仕事なんですよ。よくこんなに、、、」

心の底から、がんばってるね、大変だったねって言ってくれて、なぜか分からないけど涙が溢れてきた。

漢方の先生は、私が泣き止むまで黙って待っててくれた。

 

なんであの時泣いたのか分からなかったけど、先生が心から労ってくれてるのは分かった。

全身全霊を仕事に注ぐのが自分にとって当たり前だったから、まさか人からがんばってるねって言われるとは想像もしてなかった。

 

2週間休んで職場に復帰した私は、さらにがんばった。

少ない正職員。

パートのママさんナースに負担はかけられない。

頼られると、「オッケイ!任せて!」「オッケイ!問題なし!」が私のいつもの返事だった。

急な夜勤の交代要請も、逆に私が感謝した。

「平日の夜勤は柴キッズのお留守番時間が減るのでありがたいです!いつでも電話ください!」

働くママを尊敬している私は、役に立てるのも嬉しかった。

 

 

1年後、急性心筋梗塞で倒れ、心臓が止まった。

 

 

知らず知らずのうちに溜まっていくストレス
 

しょーこさんの話を聞きながら、自分と同じ人がいた!と思った。

あまりにも同じことが多く、自分の話をされてるような感覚になった。

 

がむしゃらに働いてたあの頃、疲れのサインがあちこちに出てたのに、「まだいける」「まだ大丈夫」の言葉にかき消され、自分で自分を追い詰め、無理をしてきた。

しょーこさんと話して思った。

私たち、我慢強いし、痛みにもけっこう耐えられる。

それが良くなかったんだろうな。

振り返れば、ストレスだらけだったのが今なら分かる。

 

人ってストレスはあるのが当たり前なんだけど、むしろ必要でもあるんだけど、溜め続けることが良くない。

自分に抱えきれないほどのストレスは悪だ。

強いストレスの環境に長いこと身を置いてたら、体はどんどん蝕まれていく。

ストレスが強ければ強いほど、長ければ長いほど、それに比例するように、身体は悲鳴をあげる。

 

どうか皆さんには、自分の中のSOSに耳と心を傾けて欲しい。

健康でいられるうちに、どうか、無理をせず、自分を最優先に行動してくれることを願う。

 

 

しょーこさんの涙
 

しょーこさんは冠攣縮性狭心症になって2度目の入院の時、重症だった。

退院してから、自分は生きてていいんだろうかと1人で川沿いに座り、悩んだ。

家族に迷惑をかけてしまうんじゃないか。

自分に生きる価値はあるんだろうか。

色んな思いが込み上げてくる。

孤独を感じていた。

1人でいる時、電話が鳴った。

旦那さんだった。

「俺は、しょーこがいないとダメなんだよ。生きててくれるだけでいい。帰ってきて。」

 

 

今、しょーこさんは、毎月胸痛発作が来て不安定な状態が何年も続いてる。

前向きで、明るくて、愉快で、女戦士を思わせるようなたくましさがあり、はっきり物を言うのにそれが人を楽しませる表現になってる。

しかも、美人だ!

 

 

スナックダブル
 

向かって左がしょーこさん、真ん中が私、右の豚ちゃんが優美ママ(本当は豚じゃないよ。人だよ。)


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6月は3周年だそうです✨

 

『スナックWdouble』

横浜市関内にあるスナックダブルさん(^O^)/

ママ2人でお店をされてる。

しょーこさんは毎週木曜日出勤(^^)/

すごく楽しくて時間が足りなさ過ぎた!

私の就職祝いってことでワインのロゼ一本ご馳走してくれた!

初めてロゼ飲んだんだけど、美味しかったなー(*´▽`*)

大人で良かったと思う瞬間よね。

他のお客さんは紳士だし、優美ママはいじられキャラで笑わせてくれるし、しょーこさんとは誰とも分かり合えなかったことが共感できたし、手作りのお通し美味しくておかわりしちゃったし❤️

魅力が尽きないお店と人々だった(^_^)

関内の近くに行った時はぜひ(*^^)v

私も呼んでください!(笑)

いつかここで心臓病仲間のみんなと集まりたいなヽ(=´▽`=)ノ