いのちの記録

心臓病になった看護師チチ

黒猫太郎、永眠

 

最期の日の記録。

 

2023年5月24日
 

夜中の3時20分、黒猫太郎の「ニャー」という唸り声で目が覚めた。

痛いのかもしれない。

水もほとんど飲めてないからシリンジから水をあげたら飲めた。

夫と右腕の包帯を巻き直そうとすると、苦痛そうな、叫び声のような唸り声を出して聞いてて痛々しかった。

 

5時20分、柴ガールが嘔吐した。

夫が両手で受け止めるが失敗。

2回目、今度は私が吐物を受け止めようとするが失敗。

ベッドに吐物が付いた。

柴ガールはシッポが下がりシュンとしている。

夫がマットレスカバーを拭いていると、申し訳なさそうな表情でうつむいている。

「いいんだよー。気にすることないよー。ほら、のっぽ(夫)見てごらん。楽しそうでしょ?のっぽは遊んでるんだよー。楽しいねー!」

と柴ガールにチュッチュッしながら言葉をかけ、夫が笑ってると、柴ガールの表情が明るくなった。

「え!?遊んでるの!?なら私も遊ぶー!」

とはしゃいで走り回った。

 

6時30分頃、夫がキッチンでみんなの朝ご飯の用意をしていると、一緒にベッドにいた黒猫太郎が「ニャー!」と体をねじり私に訴えた。

黒猫太郎はみんながいる場所に行きたかったみたい。

抱っこしてサンルームのベッドに連れて行くと満足したような表情になった。

 

そうだよね。黒猫太郎は家族が大好きなんだ。

話が戻るんだけど、ADLが落ちた翌日の5月20日、黒猫太郎だけお留守番させたくなくて、柴キッズの散歩は夫にお願いして、私と黒猫太郎は夫たちの帰りを待った。

柴キッズが散歩から帰宅して、玄関先で爪とぎやってたから私も「おかえりー」って言いに外に出て話してた。

サンルームを見ると、黒猫太郎は私たちがワイワイしてるのを眺めてた。

穏やかな表情だった。

しばらくするとサンルームのベッドに黒猫太郎の姿がない。

動けないはずなのに、えっ!?って焦ってドア開けたら目の前に黒猫太郎がいた。

玄関マットの上に寝転んでた。

みんながワイワイしてたから、混ざりたかったんだよね。

黒猫太郎を抱っこして外に出ると歩きたい様子だった。

地面に降ろしてみると、歩いた。

ヨロヨロしながら、一生懸命歩いてた。

 

時を戻して、9時過ぎ。

黒猫太郎がサンルームのベッドから降りてパタンと倒れた。

様子が違う。

口の中を見ると血色が良くない。

ぐったりしている。

悪い予感がする。

黒猫太郎をソファーに連れてきて、そばで一緒に過ごして見守ることにした。

夫に連絡した。

「 黒猫太郎が冷たくなってきてる。食欲もない。水も2mlがやっと。先生に連絡して欲しい。」

私は誰かと話すと涙が止まらない状況になってしまうから、獣医師とのやり取りは夫にお願いしていた。

獣医師からは、「食欲がない時はバニラを食べさせるといい。動いてないと体表面が冷たくなったりすることがある」

と言われて、バニラアイスを買いに行った。

夫にペットカメラで見てもらいながら、2人でバニラアイスを食べれるか見守った。

黒猫太郎は口を開けない。

冷たい物をあげるともっと体が冷えてしまいそうだったから、スプーン3杯で終わりにして黒猫太郎の体を温めた。

 

柴キッズにもバニラアイスを食べさせてみたら美味しかったみたいで食いついてた。

また食べさせてあげよう(^_^)b

 

夕方クリニックの予約が取れたから、皮下から点滴をしたくて家でもできるように獣医師に手技を教えてもらいに行く予定になっていた。

 

そして午後、見守っていると、黒猫太郎が深く息を吐いた。

呼吸が不規則になった。

黒猫太郎を抱いて夫にテレビ電話した。

夫が黒猫太郎に言葉をかける。

ゆっくりになっていた呼吸が止まった。

黒猫太郎は、家族に見守られながら、眠った。

 

 

永眠する1時間前。柴キッズに見守られて。


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永眠後、柴マンが手をツンツンして「起きて、遊ぼう」って誘ってる。


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黒猫太郎、幸せだったよ。

ありがとう。

よくがんばってくれたね。

お疲れさまでした。

愛してる。


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黒猫太郎の名前はトト。

私が名付けたの。